某月某日!!

日常のこと。音楽、本、散歩のことなど

雑記

金木犀の匂いで気づく秋もある。

 

ども、コバチヨ です。

 

■2022年9月2回目の近況

 

なんとか暮らしている。

ここ数年で外出の頻度が以前に比べて減ってしまったので、外出のハードルが思いのほか高くなってしまい、おまけに寄る年波で自分が思っている以上の気力の減退も相まって外出の頻度を上げる事も出来なくなってしまい、未来の自分に本当に悪いなと思っている。

今までの自分を作っている大きな要素の1つは、間違いなく”目的もなくフラフラ出歩くこと”だったし、目的もなくフラフラ出歩いたから出会えたモノ・コトたちが今の自分の人生に、ぼんやりとした彩りをもたらしてくれた。

それが、コロナ禍の影響もあって外出の機会も減ってしまい、自分の人生にすっかり生活の彩りというものが無くなってしまった。いつの間にか、日々の習慣以外の事は全然やらなくなって、読書も楽しめるものを好んで読むというよりも、今まで得た知識の復習するような読書ばかりして、本を楽しむというよりも、以前読んだ本の内容をなぞっては、知識がなくなってしまうという不安を落ち着かせる読書ばかりになってしまった。

気が付くと、子供の頃からの積み重ねで維持されていた、自分の、ぼんやりとした生活の彩りがすっかり消えていたというわけだ。

以前の自分が、脈絡もなく様々なモノ・コトを面白いと思えた事が今になってみるととてもかけがえのない事だったのかなと強く思う。

以前の自分のように、脈絡もなく様々なモノ・コトを面白がれるようになれるかわからないけれど、地道に生活を続けるしかない。どう生活を続ければ以前のようになれるのか自分には全然わからないけれども。

 

最近のことというと、外出が思うようにできなくなって相変わらず読書の習慣化に励んでいた。今月は4冊本を読むことが出来た。(時間は沢山あるものの、読書の時間にあてようとする意志が弱すぎて情けないというのが正直な所)

 

今月読んだのは以下の通り

ドナルド・キーン/正岡子規 新潮文庫

 

この本を読んでる最中に、今月岩波文庫から子規の野球に関する文をまとめた本が出るという事を知ったのだけど、買って読んでみようかどうか。日本で野球が普及し始めた最初期の記録なのでとても気になっているんだよなぁ~。

 

 

坪内祐三/慶応三年生まれ七人の旋毛曲り 新潮文庫

 

今は亡き雑誌「鳩よ!」で連載されていたんだよな。(マガジンハウスが文芸雑誌を出していたことがあったんだ)

講談社文芸文庫で復刊したみたいだけど、図書館には以前出ていた新潮文庫版しか開架されていなかったや。

内容は、慶応三年生まれ七人の旋毛曲りの出生から青年期までを描いていて、若くして作家としてのピークを迎える尾崎紅葉、岸田露伴の件りで盛り上げる後半部分が面白かった。宮武外骨南方熊楠夏目漱石のことは別の評伝を当たった方がいいかなぁ~。宮武外骨は掘れば掘るほど面白エピソードがあるもんな。

坪内祐三/後ろ向きで前へ進む 晶文社

 

この本の目玉は作者が学生時代に書いた昭和の評論家・福田恆存氏の評論文が収録されている事に尽きるのだろうけど、この本で記されている事は、福田恆存さん、植草甚一さん、ジャイアント馬場さんらの事を引き合いに時代がガラッと変わる瞬間を作者の視点で具体的に描いているのが良かったな。自分にはかなり難しい内容だったけど。

 

名越康文/良質読書 かんき出版

サクッと読める自己啓発本

読書の本は世の中に数多あるけれど、膝を叩いて”そうだ!そうだ!”と同意できた件りがあって、その件りと偶然にも出会えたことが嬉しくて仕方が無かった。

その件りというのは、1日10ページとか2行しか読み進める事の出来ないようなとても難しい、作者のいう所の「頂」にあるような本を苦しみながら読み進めることを作者が実践しているという件りで、自分も同様の思いから子供の頃から敢えて難しそうな本を時々読むようにしていたし、難しいけれど無茶苦茶面白い本との出会いが何回かあったから、大分老眼進んでいる自分が今でも”読書しなきゃ”という動機につながっているから。

難しい本を読んだ後に読みやすい本を読むと以前よりも少しだけど本の内容を多く汲み取れるようになった気がして嬉しいんだよな。

 

それ以外の事というと、9月25日に茅ケ崎市美術館で開催中の「新版画!版元渡邊庄三郎の挑戦」という展示に行ってきた。

www.chigasaki-museum.jp

明治42年木版画の浮世絵を国内外に販売する渡邊版画店を立ち上げたのが渡辺庄三郎さんで、当時の人気画家・鏑木清方一門らなどを起用し、木版画ならではの技法を駆使した新版画を世に出してブームを起こしたという。

去年から今年にかけて巡回展が行われた川瀬巴水の版画も手掛けており、川瀬巴水の作品もいくつも展示されていた。

展示告知ポスターで使われたイギリスの画家であるチャールズ・W・バートレットの「ホノルル波乗競争」の色鮮やかな版画を間近にみる事が出来て良かった。現代の絵と言っても違和感が無い絵だったんだよなぁ~。

 

とまぁ、最近はそんな感じでした。