某月某日!!

日常のこと。音楽、本、散歩のことなど

遠くに出かけた③

大分空いてしまった。

 

ども、コバチヨです。

 

■2017年8月13日

朝6時位に起床。

ラジコのタイムフリーで「三四郎オールナイトニッポン」を聞きながら支度をする。

叶姉妹コミケに出店したという話題にのっかり、三四郎の二人がコミケに出店したらどうするかについて話していたのだが、小宮が原作の漫画同人でも出そうかなと言い、「ろくでなしブルース」の森田まさのりさんの名前が出てきていて懐かしくなった。二人が出したい同人誌は「ろくでなしぶるーちゅ」みたいのがいいんだと話していた。

のんきな話で朝からほのぼのしてしまった。

仕度が終わり、宿の朝食バイキングで簡単に朝食を済ませてから8時位に出発する。

真っ先に向かったのは地下鉄烏丸線の四条駅でそこから北大路駅まで乗る。北大路バスセンターでバス1日券を買ってから最初の目的地・大徳寺へ向かう。9時前に大徳寺前のバス停に到着したのだが、まだ見学ポイントは開門していなかったので寺の構内をうろうろした後に大仙院と瑞峯院を見学。

朝早い時間という事もあり、ぼんやり庭を眺めることができた。荒々しさと穏やかさとが同居する空間なのに、砂に引いた線のおかげで全体的に穏やかさを感じられる不思議。その後、バス停近くのスーパーで飲み物を買い、バスで竜安寺に向かう。

竜安寺は、学校の修学旅行で行ったんだけど、周辺がどんな感じだったのかが全然わからなかったんだけど、さびれた商店街のある住宅地の中に突如現れるんだな。世界的に知られる庭園だからお土産屋さんが沢山あるものなんだろうと思っていたんだけど、控えめな印象があった。

渡辺篤史の建物探訪じゃないが、入口の古い石の階段のアプローチの奥ゆかしさにワクワクしてしまった。入場券を買い、どんどん見学客が建物の中に入っていく中、自分も入るんだけど、人が多すぎて落ち着かなかったな。使い捨てカメラで何枚か撮ったんだけど、後日現像してもらった写真を眺め、素人が撮っちゃだめだなと思いました。事前にもっと勉強して、どんなアングルで撮るのかを考えないとだめなんだなと反省した。

ただ、大徳寺の2つの庭園よりも石の存在感が控えめで、悟りに至る人の精神状態を山水に例えるとかそういうものじゃないのかなとは思ったんだけど、何かと問われると”わかんない”と答えるしかない。庭園全体の感じが非常に穏やかだから。

建物の外にある池のある庭も素敵だったけれど、この日のメイン施設に行かねばならないので泣く泣くバス停に向かう。バスを二回乗り換えたんだけど、途中偶然にも嵐山の渡月橋を渡ることができて嬉しかったが、激混みだったな。移動で1時間くらいかかったかな、松尾大社に到着。

日曜美術館」の重森三玲の回のラストで紹介されたのが松尾大社だったんだけど、庭園の全ての石の存在感に驚かされてずっと気になっていた場所だったから行ってみた。

重森さんが手がけた最後の庭という事もあり、重森さんの作庭師としての集大成であると同時に前衛的な試みが施された素晴らしい庭を眺めることが出来て良かった。

バス停に戻った頃には13時を回っていたのでこれで宿に戻ろうかとも思ったんだけど、銀閣寺に行こうとバスに乗って向かった。ルートを間違えてしまったこともあり、銀閣寺に着くまでに1時間30分位かかってしまった。

お腹もすいていたので、おめんに食べに行く。おめんのうどんがずっと気になっていたからだ。自分が知っている薬味が全部お皿に盛ってあり、好物のみょうがが一個丸々自分で使い切っていいんだと思って滅茶苦茶嬉しくなってしまった。(普段は1個を家族と半分個だから)

うどんは柔らかいうどんで、この日は熱いのを大盛で食べたんだけど、夢みたいなうどんだったな。薬味をケチらないでいいだなんて嬉しくならないか?

おめんを出た後に銀閣寺を見学したんだけど、1つの山を1つの風景に使ってしまうという豪快な庭で、その贅沢ぶりに驚いてしまった。あまりにも人が多すぎて、ざっと見てすぐ出てしまったのが残念だったんだけども。冬になれば人も減るのだろうか?

銀閣寺を後にし、長い時間バスに乗っていたので座るのも飽きてしまい、今出川通りと寺町通りをふらふらと歩き丸太町通りを目指す。行きたかった本屋があったからだ。

誠光社という本屋で、本に関する雑誌を読んでる人であれば店主の堀部さんの事を知ってる人もいるだろう。汗だくで店に入ると、小さな音でジェイムス・テイラーの曲が流れる中、棚をざっくりと眺めていく。入口にある平凡社時代のなのか、雑誌・ポパイのバックナンバーといい、店内の本棚に置かれた雑貨やアパレルのチョイスも良かったし、本のチョイスがコンパクトながらもまとまっていて、去年ぼちぼち読んでいたアメリカに関する本の並びを見る限り、ナイスな本屋だと確信しました。欲しかった石丸元章訳の「ヘルスエンジェルス」を諦めて(なにせ荷物になるからさ)、たまたま目についた「伊丹十三記念館ガイドブック」を買って店を出た。しおりがカフェの割引チケットになってるんだってさ。

伊丹十三さんの事を映画監督で知ってる人は多いと思うんだけど、「ヨーロッパ退屈日記」のカッコよさだとか(ジャギュアと言うのが一時期自分でブームだったこ事もあったよ)、「自分たちよ!」における本なのに雑誌のような凝った構成に、本を読む楽しみを広げてくれた、我が”心のボクの伯父さん”として自分の中には存在していた人で、この「伊丹十三記念館ガイドブック」も伊丹さんが以前出していた本のように雑誌をめくるような楽しさのある本の体裁だったので嬉しくなって買ってしまったのだ。

そこから再び歩いて宿に戻ったのだけど、18時を回っていたので荷物を置くと夕飯を食べに行った。この日の夕飯は宿の近くにあったタイガー餃子会館という定食でも飲みでも使える飯屋で疲れ切っていたので簡単に食べた。冷え冷えのレモンチューハイがとても美味しかった。暑い日のレモンチューハイはいつも裏切らないのだ。

宿に帰ってから諸々の事をしてテレビも見ていたんだろうが、酔っていたこともあり記憶があんまりない。いつのまにか眠ってしまったのであった。

(つづく)