某月某日!!

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もうじき4月

 

ども、コバチヨです。

 

■夏休みの宿題のように読み続けている

大菩薩峠〈1〉 (ちくま文庫)

大菩薩峠〈1〉 (ちくま文庫)

 

 「大菩薩峠」を読み始めたのが20年位前なんだけど、まだ読み終わらない。

撤退する勇気も大事だけど、手元に最後の20巻もあるのだから、これは読まざるを得ないだろう。

本が大好きな人であれば1年位で読み終わるんだろうけど、自分のように読んだり読まなかったりを繰り返して20年かかって19巻となると、自分は自分が思う程、読書が好きじゃなかったという事なのかもしれない。

それなので、”趣味は読書”と誰かに話したり、履歴書に書くのはやめようと思う。楽しみに違いはないんだけど、ここまで本を読み進めるのが遅いと駄目だろうー。

 

大菩薩峠」がどんな話なのかというと、ざっくり書くと、理由のない殺人を繰り返す男・机龍之介の人生の遍歴の物語だ。(10年位しか描かれていないんだけれど)

最初は、何かの呪いのように理由なき殺人を繰り返す机龍之介の動向が主に描かれる。次第に、机龍之介の動向はややフェードアウトし、お君や米友といった、机龍之介のいない時間の中で生きる人々が描かれるようになり、机龍之介の動向と並行してそれらの人々の動向が描かれる。物語が進むと、机龍之介と出会い、彼の理由なき殺人を繰り返す悪い癖を知らないまま、机龍之介を信じて行動を共にする人もいれば、全く接点のない人も出てくるのだが、出てくる登場人物が一部を除いて皆興味深い人たちで引き込まれてしまう。登場人物たち動向が気になってしまい、しんどいなと思いつつ次の巻へと手を伸ばしてしまうから不思議な小説だ。まぁ、未完で終わってしまうから登場人物の人々がどんな風にハッピーエンド&バッドエンドを迎えるのかわからないんだけど、なるべくハッピーエンドで終わっていることを祈る。

ちなみに、自分が「大菩薩峠」で気になる登場人物というと、神尾主膳になってしまう。初めの頃の神尾主膳は旗本として登場したのだけれど、甲府で働いていた頃に悪行を繰り返していたのが運の尽き、以来甲府を離れ、江戸でニートになってしまう。江戸に来てからの神尾主膳のニート生活がかなりのページを割いて描かれるんだけど、本を読んだだけだとか、子分が新しいビジネス構想の話をしに来ただけとか、全然何も起こらない。たまたま外出した時に顔に大けがした位。神尾主膳の部分だけまとめたらきっと大河ニート小説になると思うんだけどね。まぁ、まとめて読んでも読んでいるうちに気が滅入るから「大菩薩峠」のいくつかある中の1シークエンスというのがいいんだろうな。

 

本が大好きという人には是非とも挑戦してもらって、この机龍之介のいる世界の物語の変遷を戸惑いながらもぼーっと見守ってやってほしい。いつのまにかキンドル版があったんだね。