某月某日!!

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雨に降られて、遠くの街へ

腹いっぱい食べるのは贅沢だとは思っていても、食べすぎは胃もたれによって断罪されるものよね。肥えるし。。。

 

ども、コバチヨです。

 

■雨に降られて、遠くの街へ

家族に連れられて展示を見に行くのはいつも雨の日だ。

先日、電車に乗って行ってきた国立博物館の特別展もやっぱり雨の日だった。

 

何を見に行ったのかというと、滋賀県・擽野寺(らくやじ)の仏像だ。

www.tnm.jp

 

ここ数年、家族に連れられて仏像を見に行く機会を時々持つのだが、仏像には人のパワーを吸い取る何かがあるようで、仏像見学目的の修学旅行に行くときなど寺が閉まる夕方時になると、草臥れてしまい宿につく頃にはひどく草臥れてしまう程に、仏像を眺めるという行為は大変なんだと自分では思っている。

 

そんなわけで、国立博物館の特別展+常設展のどっちも一気に見る事ができる人というのは、余程、体力・気力ともに漲っているタフな人なんだと思うようになってきた。

生まれながらの貧乏性ゆえに、展示のチケット代のモトをとらないと帰らない!と若かった頃の自分は、体力のある限り、これでもかと展示を見ていたんだけど、正直年を取ると集中力もないし、体力もなく、最低限のラインさえ鑑賞できればそれでいいと思うようになってきた。国立博物館の常設は本当にボリュームが多いんだもん。

 

入場口でチケットを購入し、大雨が降る中傘を差し国立博物館の本館に向かう。

館内に入ってすぐに特別展の展示室があり、足りない頭をフル稼働して、仏像に対峙する。

いろんな場所から仏像を眺めるわけなのだが、3メートル超の秘仏・十一面観音菩薩坐像の圧倒的なオーラにすっかり参ってしまった。

普段は寺のお堂の暗闇の中にある秘仏ではあるけれど、像から発せられるあの黄金の輝きに、祈りの空間が包まれると思うと、ここに来てお祈りして本当に良かったと大いなる安堵が祈る者にもたらされるであろう。

十一面観音菩薩坐像の表情もまた、非常に慈悲深く、魅力的なのも素晴らしい。

図録の写真には顕著だけど、光の当たり方次第では、とてつもなく色っぽい菩薩像だと思うんだよね。こんなの、奈良・聖林寺の十一面観音以来かもしれない。

 

正直この一体で、観賞する集中力はほぼ持っていかれ、他は集中力が切れた抜け殻のような状態で眺めたので、それぞれちゃんと鑑賞できたのかどうかとても怪しい。

 

いいもん見せてもらいました。

 

ちなみに、常設の仏像の展示もざっくり見たけど、三十三間堂の仏像3体が展示されていて、快慶のがありましたね、あれ良かったな。